年収1000万 ITフリーランスの随想録

創業以来年商1,000万以上を継続しているITフリーランスの業務体験記や日々思うことの記録

エージェント経由でITコンサルタント案件獲得に役に立ったスキル(前編)

こんにちは。アラフォーITフリーランスです。

 

30代前半で独立して、様々なエージェント*1様々な案件を紹介いただいた経験を持つ筆者が、エージェントを通じた案件獲得で役に立ったと感じたスキルをシェアします。

 

私の場合、ITコンサルタント、SE、プログラマーとして業務を受けることがあるのですが、それぞれにより役にたつスキルは異なりますので、今回はこの中で最も高単価案件となりやすい、ITコンサルタントの案件獲得に関してお話しします。

 

ちなみに私の得意領域は、企業の基幹業務システムのスクラッチ構築で、応募案件もそのような案件が多いです。

  

f:id:itfreelancer:20210116163313j:plain

 

これからITコンサルタントとして独立を検討している方、またはITフリーランスとして既に活動中で、ITコンサルタントの案件獲得を新たにお考えの方の参考になればと思います。

 

強みになると考えていたスキル

 

独立当初、エージェントに対して自己アピールする際、自身の強みなると自覚していたスキルとして「実装スキル」「コンサルスキル」「難関資格」がありました。

 

そして独立から5年以上経過してみて、それぞれが実際の案件獲得に役に立ったかという実感についてお話しする流れとさせていただきます。

 

 

実装スキル(コーディングスキル)

 

エージェントから仕事を受けるにあたり、高単価のITコンサルタントの求人を紹介されることが多かったのですが、その際にも、私の実装スキルは強みになるのではと考えていました。

 

『ITコンサルタントとして関与しますが、場合によっては作業者としても動けるので様々な役割に対応できますよ』というセールスポイント(差別化)です。

 

実際に前職のコンサルティングファームでは、ITコンサルタントと呼ばれる職種の方々は実装スキルを持たない方が多かったので、ファーム内でも私の強みと言えました。

 

さてこれが実際に役に立ったかですが、結論。

 

案件によっては歓迎されることはあるが、その割合はあまり多くなかった、という程度の印象です。

 

やはり高単価のコンサルタント求人の場合、プログラミングや設計は業務範囲にそもそも想定されていないことが多かったです。

 

 

コンサルスキル(コンサル実務経験)

 

エージェント経由でITコンサルタントとして案件に入るのに、スキルというより、元大手ファーム出身者という点はかなり有利に働いたと思います

 

国内に限らず有名な大手のITコンサルティングファームなら、年齢や職階が同じコンサルタントに求められる基本的なスキルが似通っているため、例えば30歳前後で数年ファームに所属していた、というだけでどの程度のスキルを持つかがだいたい想像がつきます。

 

ITコンサルタントの案件の場合は、プロジェクトの責任者やメンバーにコンサルティングファームの人間が関わっていることが多く(そもそもコンサルティングファームのプロジェクトが求人しているケースも多い)、例えば「元アクセンチュア出身のマネージャーランクで仕事をしていた人物」という話だけでも、受け入れ側は作業イメージを具体化しやすいです。

 

私はこれまでの社会人経験で、新聞に載るようなプロジェクトのPMなどの大きな成果を残したとか、英語ビジネスレベルであるとか、高学歴など、派手なアピール要素は(悲しいかな)ないですが、元ファーム出身者であるという点が、ITコンサルタント求人に応募できた最大の要因であると推察しています。

 

したがってフリーランスでITコンサルタントとして働きたい場合は、元ファーム出身者でない限り、その前にどこかのファームに入社して数年頑張るというのは現実的な努力だと思います*2

 

 

難関資格ホルダー

 

私はIT業界に限らず幅広くビジネスマンに人気の高い、中小企業診断士の有資格者です。

 

IT実務+ビジネスサイドの難関資格、という組み合わせは、個人的にはセールスポイントになるのではないかと考えたのですが、結論、こちらはほとんど意味を持たなかったという印象です。

 

もしかしたら、前に書いた「コンサルティングファームでの勤務経験」の方に隠れてしまっているかもしれません。

 

しかし実際、私がプロジェクトの求人する側であっても、資格持ちより実務経験者を重視するでしょう。

 

特に弁護士や会計士など、その資格がないと仕事をすることができないというような制約がない限り、(自己啓発系)資格の効果は低いというのが実感です。*3

 

面談などで感心されることはあっても、中小企業診断士を持っているからエンジニア枠でなくコンサル案件にアサインしますね、という話にはまずならないという実感です。

 

 

(まとめ)

 

ITコンサルタントとしてフリーランスの案件を獲得するためには、私のアピールポイントでは「元ファーム出身者」であるということ。という身も蓋もない結論になってしまいました。

 

しかしこれが現実と思います。

 

会社の社員の立場であれば、ストレッチさせるためとか、別のスキルを身につけさせるために、未経験の分野の仕事にあえて挑戦させてくれることもあるでしょう。

 

しかしエージェントはそのようなことはまず考えてくれません。

 

なのでこの経験から、私がこれからITフリーランスを目指す方にお伝えしたいのは、会社員のうちに、独立を見据えてサラリーマンの立場で業務経験を可能な限り積むことです。

 

特に独立して新たな領域で仕事をしたい方は、現職で果たせない場合には転職等を駆使してでも、サラリーマンの立場で独立前の実務経験をアップデートしておくことが有効と思います。

 

 

今回はここまでにします。

 

後編では、自分にはないスキルだが、持っていれば案件獲得にさらに役立ったであろうスキルについてお話ししたいと思います↓

itfreelancer.blog

*1:案件の紹介会社です。求人する企業と、仕事を探すフリーランスの間に立ってマッチング等を行います。フリーランスがコネのない企業に直接営業するのは難しいため、エージェント経由で仕事を得ることはITフリーランスにとって一般的です。エージェントは顧客から支払われる報酬の一部を運営費に充て、残りをフリーランスの報酬として支払うという形でエコシステムの一部を形成しています。

*2:ただし、超短期の在籍は、解雇されたか職務がこなせなかったかと疑われることがあるため、逆にマイナス要因になり得ます

*3:IT業界なら「ITストラテジスト」や「ネットワークスペシャリスト」などの難関資格持ちでも、それが実務での評価面に直結するわけではないというのは理解しやすいと思います。