年収1000万 ITフリーランスの随想録

創業以来年商1,000万以上を継続しているITフリーランスの業務体験記や日々思うことの記録

ITフリーランスとしての初仕事は小規模基幹システムのひとり開発だった(前編) ~ 受注の経緯

こんにちは。アラフォーITフリーランサーです。

 

今回は少し個人的かつ具体的な話をしたいと思います。

私がITフリーランスとして初めて取り組んだ仕事について、その受注経緯、業務内容、報酬額などの話です。

 

ありふれた事例ではないと思いますが、生の経験を話しますので、独立を模索される方の参考になればと思います。

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 1.受注の経緯

 

(1) まずは「低稼働」案件探し

 

独立して仕事を探す際に、私が最も重視した点があります。

 

それは、”100%稼働の仕事*1は受けない”ということです。

 

ITフリーランスの場合、最近こそ低稼働案件(100%未満の稼働案件)が随分増えてきましたが、私が独立した当初は、ほとんどがフル(100%)稼働の案件*2だったように思います。

 

さてそもそも、なぜ100%稼働の案件を避けたかったかというと、

  • 案件終了時、次の案件を探すまでが無収入になるリスクを抱える
  • 独立したからには様々な仕事や顧客と仕事をすべき(そして、細く長く付き合えてかつ、質の良い顧客を発掘したい)
  • 自社の商材開発や営業を行うのに平日の空き時間は必要
  • 本業のIT以外の士業としての業務も少しずつ経験値を積みたい

などの理由が頭にあったからです。

 

(2) IT営業のフリーランサーに着目

 

前述のように、当時はエージェント(フリーランスに仕事をあっせんする営業会社)のあっせん案件には低稼働案件がとても少なかったため、一通りのアプローチを終えた後は、違ったやり方での案件獲得を考えました。

 

そこでまず浮かんだアイデアが、IT営業を仕事にしているフリーランスにアプローチする、という方法でした。

 

私は独立まで一度も営業職を経験しておらず、そこは独立して仕事をする際のウィークポイントだと思っていました。

 

そうであれば、逆に営業スキルはあるがデリバリー能力を持たないフリーランスと協力関係を結ぶことはできないか?と考えたのです。

 

エージェントのような会社組織に対して私の都合で稼働条件を交渉することは難しいと思いましたが、お互いフリーランスのような立場であれば、柔軟な協力体制という形で条件面の交渉がしやすいと考えたためです。

 

そんな都合の良い出会いはあるのかと、まずはネットで情報収集を始めたのですが、以外にもこの手の方も一定数いることがわかりました。

 

そこで目に留まったあるITコンサルタントの方に直接メールを送り、会っていただけることになったのです。

 

(3) 案件獲得

 

そのITコンサルタントの方(A氏としましょう)は、中小企業向けのITコンサルタントを名乗っていたものの、実際には、IT投資を望む中小企業を見つけてきて、そこに自身の息のかかったベンダーを連れてきて、紹介手数料を取るビジネスを行う、一人社長でした。

 

A氏は私の経歴や資格を見てすぐに協業に前向きのようでした。

 

私が彼と出会ったタイミングで、彼にはちょうど、自社の基幹業務のIT化を検討している小規模企業の伝手がありました。どうやら、数百万程度の予算は取れるとのこと。

 

具体的には、小規模企業の受注~生産~出荷にかかる管理業務をIT化するという仕事でした。

 

まさに私の初めての仕事にはうってつけだと思いました。

なぜなら基幹系業務は業務知識として私の得意分野でしたし、小さい案件ながらプライム*3で動けて、要件定義~開発~運用サポートまで自分一人で対応できる規模感になりそうだったからです。

 

数度のA氏との打合せから、営業畑のA氏にはデリバリー能力はもちろん、プロジェクトマネジメントの経験値もほぼないと見えたため、案件運営に口を出してくることすらできないだろうと確信していました。

 

とはいってもA氏の会社の従業員として顧客に対応するので、形式的に私のプライム案件ではありませんが、そんなことより実質プライム案件の実行による経験値UPの方が重要です。

 

何しろ、独立して最初の仕事で自分の全責任において企業のシステムを構築することができるのですから、今回の契約額が、20代のころサラリーマンエンジニアで初めて責任者としてデリバリーした案件の半額にも満たなくても、今後の経験値として大きな意味を持つだろうと思われました。

 

すぐにA氏と責任範囲・報酬の配分・業務内容等を調整し、契約を交わしました。

 

デリバリー期限は明確ではありませんでしたが、少なくとも半年以上は先の話ということで、それなら週2~3日くらいの労働量*4で十分ひとりで間に合わせられそうです。

 

こうして独立後1か月も経たずに、当面の収入はすんなりと確保*5でき、かつ他の仕事にも対応できる理想的な状態を作ることができたのです。

 

・・・

  

長くなったのでいったんここで一息つきます。

次はこの案件で具体的にどのような業務を行ったかを書きたいと思います↓

itfreelancer.blog

*1:平日の稼働をすべてその仕事に投入すること。一般的には1週40時間で計算するので、50%稼働であれば、週のうち20時間を案件に投入するという約束となる

*2:現在では案件の紹介文に稼働率が示されることが一般的になりましたが、当時は稼働率の表示すらないフル稼働が前提の頃でした

*3:1次受けという意味のIT業界用語で、顧客と直接契約することを指します

*4:自宅でほとんどの業務を行うことができることもあり、在宅フリーランスのイメージに希望を膨らませていたのを思い出します

*5:顧客とA氏は請負契約なので仕事完成時にようやく報酬全額を受け取ることができるのですが、私とA氏は準委任契約としたため、完成前でも私はA氏から定期的に報酬を得ることができたのです。このあたりの契約まわりの知識についてはどこかで別の記事にしたいと思います